英語の長文読解は大学受験の英語で最も配点が高い分野ですが、「長文になると何が書いてあるか分からなくなる」「時間内に読み終わらない」という悩みを抱える受験生は非常に多いです。偏差値40台から逆転合格を目指すなら、長文の読み方のコツを早い段階で身につけることが不可欠です。
この記事では、英語長文を正確に、そして速く読むための具体的なテクニックを紹介します。単語力や文法力がまだ十分でなくても実践できる方法ばかりなので、今日から取り入れてみてください。
英語長文が読めない原因
長文が読めない原因を正しく把握することで、的確な対策が立てられます。多くの受験生に共通する原因は以下の3つです。
単語力の不足
長文が読めない原因のほとんどは単語力の不足です。1つの文に知らない単語が3つ以上あると、文全体の意味を推測することすら難しくなります。
偏差値40台の受験生は、まず英単語帳の見出し語1,200語を覚えることが最優先です。ターゲット1200やシステム英単語Basicなど、基礎レベルの単語帳を1冊完璧にするだけで、長文の理解度は劇的に変わります。「長文の練習をする前に単語を覚える」のではなく、単語を覚えながら長文も読むという並行学習が最も効率的です。
一文ずつ日本語に訳そうとしている
英文を読むときにすべての文を完璧に日本語訳しようとしている受験生がいますが、これは非常に時間がかかる読み方です。入試の長文は500〜1,000語もあるため、一文ずつ訳していたら時間が足りなくなります。
長文読解で必要なのは「全文を正確に訳す力」ではなく、「全体の流れをつかむ力」です。細部にこだわりすぎず、各段落で何が言いたいのかを大まかにつかめれば、設問の多くに答えられます。
長文を速く正確に読むコツ
ここからは、実際に長文を読むときに使えるテクニックを紹介します。どれもすぐに実践できる方法です。
パラグラフリーディング
パラグラフリーディングとは、段落(パラグラフ)ごとに要点をつかみながら読む方法です。英語の文章は「1段落1主張」が基本ルールなので、各段落の最初の1〜2文を注意深く読むだけで、その段落の内容がおおよそ把握できます。
- 各段落の1文目を特に注意して読む(トピックセンテンス)
- 段落を読み終わるごとに「この段落は何の話?」と自分に問いかける
- 段落の要点を日本語で1行メモする(慣れるまで)
この方法を身につけると、長文全体の構造が頭に入るため、「途中で何の話だったか分からなくなる」という問題が解消されます。最初は時間がかかりますが、10本ほど練習すれば自然とスピードが上がります。
ディスコースマーカーに注目する
ディスコースマーカーとは、文章の流れを示す接続語のことです。however(しかし)、therefore(したがって)、for example(たとえば)、in addition(さらに)などがこれに当たります。
| マーカー | 意味 | 読むときのポイント |
|---|---|---|
| however / but / yet | 逆接 | 前と反対の内容が来る。後ろが筆者の主張であることが多い |
| therefore / thus / so | 結論 | 前の内容のまとめ。重要な情報が来る |
| for example / such as | 具体例 | 前の抽象的な主張の具体例。読み飛ばしてもOK |
| in addition / moreover | 追加 | 前と同じ方向の情報が続く |
ディスコースマーカーを見つけたら丸で囲む習慣をつけてください。これだけで「次に何が来るか」を予測できるようになり、読解スピードと正答率が同時に上がります。特にhoweverの後ろには筆者の最も言いたいことが来ることが多いため、要注意マーカーとして意識しておきましょう。
設問を先に読む
長文問題を解くとき、本文を全部読んでから設問を見るのではなく、先に設問に目を通してから本文を読む方が効率的です。「何を聞かれるか」を把握した状態で読むことで、本文中の答えのヒントに気づきやすくなります。
具体的な手順は以下のとおりです。
- Step 1:設問をすべて読む(選択肢は読まなくてOK。何を聞いているかだけ把握する)
- Step 2:本文を段落ごとに読む。設問の答えが見つかったらその場で解答する
- Step 3:全段落を読み終えたら、残りの設問に答える
この方法なら、本文を最初から最後まで読む必要がなくなるケースもあります。時間短縮と正答率アップの両方が期待できる、最も実戦的なテクニックです。
偏差値40台からの長文対策ロードマップ
今の偏差値が40台でも、段階的にレベルを上げていけば入試本番で長文を武器にすることは十分可能です。
偏差値40→50の基礎固め
まずは1文が正確に読める力をつけることが最優先です。長文に取り組むのはまだ早い段階です。
- 英単語:ターゲット1200 or シスタンBasicを3周
- 英文法:「大岩のいちばんはじめの英文法」で基礎を理解
- 英文読解:「英語長文レベル別問題集 1・2」で短い文章から練習
この段階では速さは意識せず、正確さだけを重視してください。1文ずつSVOCを振って構造を把握する練習を繰り返しましょう。1〜2ヶ月でPhase 2に進めます。
偏差値50→60の長文演習
基礎が固まったら、本格的な長文演習に入ります。
- 英単語:ターゲット1900 or システム英単語に移行
- 長文:「やっておきたい英語長文300→500」と段階的にレベルアップ
- 読み方:パラグラフリーディングとディスコースマーカーを意識して読む
毎日1題の長文演習を習慣にし、必ず復習(音読5回+未知単語の暗記)を行うことが偏差値60到達のカギです。ここまで来れば日東駒専レベルの長文で合格点が取れるようになります。
偏差値60以上の実戦力養成
MARCH以上を目指す場合は、過去問演習が中心になります。
- 長文:「やっておきたい英語長文700」+志望校の過去問
- 時間管理:必ずタイマーを使い、制限時間内に解く練習をする
- 復習:間違えた原因を分析(単語不足?構文ミス?時間切れ?)
偏差値40台からここまで到達するのに必要な期間は約6〜8ヶ月です。毎日継続すれば、十分に射程圏内です。
長文読解の復習方法
長文の実力は復習の質で決まります。問題を解いて丸つけするだけでは力はつきません。
音読による定着
解き終わった長文を5〜10回音読するのが最も効果的な復習法です。音読することで、英語の語順のまま理解する力(英語脳)が鍛えられます。
最初はゆっくりでOKです。意味を理解しながら声に出すことが大切で、意味が分からないまま読み上げても効果はありません。日本語に訳さずに英語のまま意味が取れる状態を目指して、同じ文章を繰り返し音読してください。3ヶ月続ければ、初見の長文でも読むスピードが体感で1.5倍になります。
未知語のストック
長文を読んでいて出会った未知の単語や熟語は、ノートやアプリにストックしておきましょう。単語帳に載っていない表現でも、入試で出題されるものは多くあります。
ストック方法としては、スマートフォンの単語帳アプリ(AnkiやQuizletなど)が便利です。通学中にサッと見返せるので、スキマ時間で語彙力を増やせます。長文演習のたびに5〜10語をストックする習慣をつければ、半年で300語以上の追加語彙が身につきます。
まとめ
英語長文の読み方のコツは、パラグラフリーディング・ディスコースマーカーへの注目・設問先読みの3つです。偏差値40台からでも、基礎固め→長文演習→過去問の3段階を踏めば、半年〜8ヶ月で入試レベルの長文に対応できるようになります。
大切なのは毎日1題の長文演習と、音読による復習を継続することです。テクニックを知るだけでなく、実際に手を動かして練習を重ねることで、長文読解は確実に得点源に変わります。
